シカのわな作動 すぐ通知…函高専生 通信システム開発

update 2012/8/8 12:58


 エゾシカのくくりわなについて、すぐにどこで作動したのかを遠隔地の設置者に知らせるシステムを、函館工業高等専門学校(岩熊敏夫校長)の生産システム工学専攻の学生4人が開発した。鮮度の良いシカ肉を利用できるほか、かかっていない所を見回らずに済むため労力を軽減する効果があるという。

 同校で7日に開かれた成果報告会で、加藤雅宏さん(21)、河井康宏さん(22)、佐藤佑紀さん(21)、白尾光さん(22)が「農業分野へのリモートセンシングの活用」と題し発表した。エゾシカ肉専門店「北海道産ファーム」(函館市亀田本町、渋田孝代表)の依頼を受け、本年度から研究に乗り出した。

 同社は、函館空港奥の清水山付近に設置した、わな約130基を1日1回見回る必要がある。携帯電話のつながらない環境下でも2キロの範囲をカバー、さらにわなが作動した位置を判別し通知するシステム開発を要望した。

 発表によると、シカがかかると発信部の磁石が外れてトランシーバーの電源が入る。受信部の別のトランシーバーで受けた情報を処理しパソコン(PC)に伝達。PCから、わなの位置情報を携帯端末にメール送信する。実験では、通信は最長約350メートルで可能。費用はわな1基当たり1040円。

 佐藤さんは「中継器を設置すれば、2キロの範囲をカバーできる。距離の問題を解決し実用化につなげたい」と話している。

 このほか7テーマの発表があり、学生や教職員、依頼者ら約100人が聞き入った。

提供 - 函館新聞社


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