スルメイカ漁 7月低調
update 2012/8/3 10:39
道南スルメイカ漁は、函館市水産物地方卸売市場(豊川町)での7月取扱量が前年を32%下回る496トンと伸び悩んだ。漁場が日本海側から太平洋側へ移る時期で、太平洋側での漁場形成の不調が響いた。群れが一時的に途切れる夏枯れ≠フ影響もあり、今月も漁獲の見込みは薄そうだ。最大の需要期に入り、店頭の動きは活発だ。
はこだて自由市場(函館市新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」(富田貞雄社長)では、いけすイカが1皿(3〜5匹入り)1000円から店頭に並ぶ。「多くのなじみ客がついて売れ行きは好調。刺し身を買ってその場で食べていく観光客も多い」と同店。ただ、漁場が日本海側から函館の前浜に移ってからは魚体サイズが小ぶりだという。
市農林水産部によると、同市場での6、7月合計の取扱量も、前年比14%減の735トンにとどまった。1キロたりの平均価格は同11円高の306円。太平洋側の不調を、日本海側の好漁でカバーした格好だ。
太平洋側の漁獲が振るわない要因について、道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「群れの来遊が遅れており、漁場形成も思わしくない。来遊量も前年を下回る見通し」と指摘。加えて夏枯れの影響で「今月いっぱいは急激な漁獲の増加は見込めないだろう」と話す。
函館市漁協(橘忠克組合長)によると、現在は前浜と、福島町と知内町にまたがる矢越岬沖が主な漁場。「前浜はサイズが小さくて値段が取れない。矢越岬沖はサイズがそろっているものの漁獲は少ない」と説明。9月以降の漁期後半が勝負とみて「道東方面から津軽海峡へ南下してくる秋イカ漁に期待したい」としている。
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