夷酋列像 松前で初公開 仏美術館から“里帰り”
update 2012/7/24 11:47
【松前】松前藩家老の蠣崎波響(1764〜1826年)が描き、フランスのブザンソン美術館に収蔵されている「夷酋(いしゅう)列像」が23日、松前城資料館で特別公開された。波響が同作品を描いてから222年ぶりとあり、町内外から約1300人が来館。貴重な作品に見入り、悠久の歴史に思いをはせた。
夷酋列像は、1789(寛政元)年の「クナシリ・メナシの戦い」の後に、アイヌ民族の指導者12人を描いたもの。1984年にブザンソン市で11枚が発見され、88年、91年に函館で展示された。松前には初めての“里帰り”となった。
オープニングセレモニーでは石山英雄松前町長が「この日を町民と法源寺で眠る波響が心待ちにしていた。作品を通し、松前の歴史を振り返ってほしい」、ブザンソン市のジャン・ルイ・フスレー市長が「文化的な意味ばかりでなく、ブザンソンと松前の友好の懸け橋となる展覧会となる」と話した。フスレー市長は観覧後、「松前の歴史が描かれた作品を見ると、どのようにフランスに渡ってきたなど考え、ロマンを感じる」と話していた。
一般公開では、一時的に入場制限が行われ、関心の高さを示した。来館者は人物の髪やひげ、衣装の紋様を細密に描いた肖像に見入った。町内の主婦、宮崎敬子さん(67)は「想像以上の細かさ、きれいな色彩に驚いた」、小樽市史談会の樋口寿夫さん(63)は「函館でも展示されるが、松前で見ることに意義がある。波響が作品を描いたこと自体に深く興味がある」と話していた。
夷酋列像は25日から9月9日まで、道立函館美術館でも特別展示される。
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