きょうから節電期間 計画停電どう備える

update 2012/7/23 11:16


 政府と北海道電力が要請する節電期間が23日、道内でも始まる。函館の一般家庭や小売店、医療機関などは電力需給が逼迫(ひっぱく)した時に行われる計画停電について「生活や業務への影響は避けられない」として万一の事態に備えるが、対策を見いだせない市民には不安も広がっている。

 老舗冷菓「冨士冷菓」(大森町)は、業務用冷凍庫5台に各100個以上の商品を保管する。しかし停電になると通常のマイナス20度から大幅に温度が上昇し、アイスが解けてしまう。同店の中村久仁子店長(62)は「そうなれば売り物にならない。もしもの時にはドライアイスで急場を凌ぎたい」と対策を練る。金森商船(末広町14)では、赤レンガ倉庫内の通路などに電池式の発光ダイオード(LED)のランタンを数百個並べる。映画館「シネマアイリス」(本町22)は、停電の時間帯を避けた上映を検討するなど、対応はさまざまだ。

 市内の医療機関では、ほとんどが災害時や緊急の停電に備え自家発電機を装備。介護療養型病棟を備えるある病院の事務長は「実際、自家発電で間に合うのか分からないが、あらゆる事態を想定して対応したい」。一方、デイサービス施設を併設するケアプラザ新函館・たけだクリニック(宮前町)は、食事や入浴など利用者へのサービスができない恐れがあるという。このため、事前周知を徹底するほか、停電前後にサービス利用できるよう影響を最小限に抑えたい考えで、武田良一院長(60)は「患者や利用者の不利益にならないよう努める」と気を引き締める。

 計画停電は市民の習い事にも影響を及ぼす。テーオースイミングスクール(本通3)では、停電開始1時間前の閉館を決めた。プールの水質浄化装置停止による雑菌の繁殖は、2時間半程度の停電では問題ないとしているものの「利用者離れが心配」(同スクール)。計画停電の対象区域に当たる市内の音楽教室は、前日に実施が公表された段階で休講とし、別の日にレッスンを振り替える予定だ。

 一般家庭でも困惑の声が聞かれる。日吉町のパート従業員、平田美佐枝さん(42)は「夏休み中の子どものために料理を作り置きして仕事に出掛けるけど、冷蔵庫が心配なのでとてもできない」。今月から家族全員で節電を実践している神山の主婦、古川みどりさん(53)も「期間中はこまめに電気を使わないようにするけど、お風呂や夕食のことを考えると夕方の停電は困る」と不安げだ。西桔梗町の主婦、藤沢彩名さん(31)は「計画停電の時間は道路や施設でのトラブルが怖いので外出は控えたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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