岡田副総理「増税待ったなし」

update 2012/7/23 11:16


 消費税率の引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革について政府が住民に説明する「『明日の安心』対話集会」が22日、函館市亀田福祉センター(美原1)で開かれた。岡田克也副総理は「これ以上の財政悪化に歯止めをかけるにはもう待てない」と述べ、増税に理解を求めた。

 対話集会は内閣官房の主催で、関係閣僚が全国各地に出向いて開かれている。道内では4月の札幌市に次いで2都市目。この日は厳重な警備の物々しい雰囲気の中、応募した市民ら129人が参加した。

 岡田副総理は、改革の根拠として欧州の経済危機や東日本大震災の復興を挙げ、3党合意について「将来に責任を持つ者として、与野党を超えてやるべきことはやらなければ」と強調。「持続可能な形をつくるため、今から準備をしなければさらに厳しい状況になる」と述べた。

 焦点の消費増税については、景気条項によって「先送りもゼロではない」とする一方、「景気が良くなったらと先送りを続け、気が付いたらこれだけの借金になった。あまり時間は残されていない」と語り、景気回復と改革を同時併行する必要性を訴えた。

 続く質疑応答で、会場からは「中小零細企業では消費税が転嫁できない」「現行の5%の使い道はどうなるのか」「もっとほかに削るところがある」と厳しい指摘が相次ぎ、「質問する時間が足りない」との不満も聞かれた。

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 岡田副総理は集会後、記者団に対し、青森県大間町で電源開発(東京)が建設中の大間原発の建設再開ついて「政府として何か決めたことも、止める法的権限もない。基本的には建設を進める側が地元の理解を得る努力をしていただきたい」とし、政府として積極的に関与しない考えを示した。

 岡田氏は、民主党幹事長時代の昨年5月、現地の首長らとの意見交換会などで「建設推進」の意向を表明。現在は政府の立場として「大間は建設途上にあり、既にあるものを動かすのとは交渉が違う」とし、「どこまでが地元かを政府が決めるわけではない」と事業者の責任に言及した。

提供 - 函館新聞社


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