多重債務相談者の65% 1年後に市税など納付 函館市くらし安心課
update 2012/7/20 10:09
函館市のくらし安心課(旧くらし支援室)に多重債務の相談に訪れ、弁護士や司法書士に対応を引き継いだ相談者の約65%が、相談から1年後に市税や国民健康保険料などの納付を開始していることが分かった。同課は「多重債務から抜け出し、生活が改善されている証しでは」と分析している。
同課のまとめによると、2010年度に相談に訪れた550人のうち、弁護士や司法書士に対応を引き継いだのは185人。裁判所を通さずに債権者と弁護士の間で返済方法を和解する「任意整理」や、自己破産などの方法で解決を図っている。
債務整理には一般的に3〜6カ月程度の時間がかかるため、同課は引き継ぎから1年後までの間、生活の見込みが立っているのかを追跡調査している。
10年度に専門家に引き継いだ185人のうち、市税や国民健康保険料、介護保険料、保育料といった公債権(=自己破産してもなくならない債権)を滞納しているケースが延べ136件、約3790万円あったが、昨年度はそのうち88人が支払いを始め、1212万円が納付された。
相談を受けた際には1カ月間の生活費の聞き取り調査を行った上で、過払い金の活用や分割での納付について助言を行っている。
同課は市税や国保料の納付について「あくまで二次的な効果だが、支払われる可能性が低かった税金などが納付されることは喜ばしい」とした上で、「相談を受けた市民には、再びつまずいてほしくない。多重債務は年収の低さやギャンブル依存だけでなく、突発的な病気や借金の肩代わりが原因で陥るケースもある。落ち着いた生活を心掛けてほしい」と話している。
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