22日「湯川忠魂碑」100周年記念慰霊祭

update 2012/7/19 11:56


 函館市湯川町2の湯倉神社境内に、日清、日露戦争に従軍した同地区の戦没者らを祭った石碑がある。昨年建立100周年を迎えた「湯川忠魂碑」。関係者が戦前から欠かさず慰霊祭を執り行い、今年は節目を記念して7月22日に実施する。主催者の湯川忠魂碑奉賛会の松倉肇会長(82)は「この碑の前で手を合わせたい市民は気軽に来てほしい」と呼び掛けている。

 同碑は1911(明治44)年、旧湯川村の有志でつくる帝国在郷軍人会湯川村分会が、戦死者のために現在の市民会館付近に建立。「忠魂」の字は、当時旭川第七師団長で後に元帥となった上原勇作が揮毫(きごう)した。55(昭和30)年に現在地に移転され、現在は第2次世界大戦までの戦死者342人と、同分会を母体に発足した同奉賛会の物故者80人を祭っている。

 同会によると「市内各地にある忠魂碑の中で最も歴史が長い」。現在は同地区の商店主や町会長ら60〜90代の会員23人が管理するが、近年は会員の減少が著しい。松倉会長は「ご先祖の存在なくして湯川地区の発展はあり得ない。その思いに支えられて全会員が結束してきた」と振り返る。

 同会の門脇善治さん(73)も「旧湯川村は箱館戦争や函館大火などで最期を遂げた無名の方々も数多く眠る特別な土地。祭る対象者を広げ、会を存続させることも真剣に考えなければならない時期」と先を見据える。

 慰霊祭は戦後の数年を除き毎年行ってきたが、昨年は会員が多忙のため記念行事ができなかった。今年は神事に加え記念にツツジを植樹。55人が参列予定だが、戦死者の遺族や関係者に限らず、湯川の歴史に興味がある人も参列対象にしている。

 参加無料で希望者は直接会場へ。問い合わせは同会総務の小向義美さん電話0138・51・7332。

提供 - 函館新聞社


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