いじめ防止へ指導徹底へ 大津中2自殺問題受け

update 2012/7/18 10:43


 滋賀県大津市の男子生徒が昨年10月にいじめで自殺したとされる問題を受け、函館市教委は市立全学校にいじめをなくすための指導をより徹底するよう文書で通知した。命の大切さを伝える指導や保護者との対話を重視している。市教委は「いじめ撲滅に向けて、常に危機感を持った指導を浸透させていきたい」と話している。

 通知では▽自分、他人の命の尊さを理解させるための指導をする▽日ごろから子どもの発する小さなサインを敏感に受け止める▽保護者との連携を密にし、子どもの生活状況の的確な把握に努める―などを呼び掛けている。

 また道教委が毎年全道の児童生徒に配布している「相談窓口紹介カード」や、文科省などが作成する子どもの自殺予防マニュアルを効果的に活用することをあらためて伝えた。

 市内では道教委が昨年度から子どもにいじめの有無を尋ねるアンケートを年2回、全学校で実施。防止に向けた取り組みについて調査する学校へのアンケートも年2回行っている。

 このほか、生徒同士がディスカッションをして理解を深める「いじめ等の問題について考える集会」を毎年開くなどして意識啓発に努めているほか、児童・生徒会の呼び掛けによる集会が独自で開かれている学校もある。

 市教委によると、市内で確認されたいじめ件数は、2010年度が小学校で前年度比19件増の43件。中学校は同比5件増の52件で、2年連続で増えている。

 市教委は「アンケートなどにすべて頼るのではなく、日ごろから子どもの様子をよく見ることが大事。悲しい事件が二度と起きないよう、指導を徹底したい」としている。

提供 - 函館新聞社


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