西洋ネギのリーキ栽培法確立へ研究、道南農試

update 2012/7/16 10:26


 【北斗】道総研道南農試(北斗市本町)は、洋風料理に使われるリーキ(西洋ネギ)の栽培技術の開発を進めている。道南で栽培が盛んな長ネギの技術を応用でき、国内生産も少ない点に着目。函館に根付く洋食文化に合う西洋野菜として特産化を目指す。

 地中海原産のネギの一種。軟白部を食べ、直径は長ネギの約2倍。太い方が高値で取引される。欧米では、スープなどの煮込み料理に使うのが一般的で、加熱すると強い甘みと、とろみが出る。

 道南では長ネギで実績があるため比較的容易に取り組める。また、晩秋(10月末〜11月)に収穫するため温暖な道南が栽培適地で、長ネギと出荷作業が競合しない利点がある。

 同農試は2011年度から3カ年計画で、品種特性や栽培法、機能性を明らかにする。研究主任の富沢ゆい子さん、植野玲一郎さんが中心となり、試験圃場(ほじょう)約4アールで2品種を比較栽培するほか、保温資材の有無や株間、管理のしやすい植え方、土を盛る回数・盛り方を検討。効果的・効率的な施肥量や時期も調査している。

 機能性の研究では、お腹の調子を整えるフラクトオリゴ糖やイヌリンを長ネギより多く含むとされ、何倍高いかを調べる。販売期間を長くするため貯蔵試験も行う。

 これまでに作ったリーキは、函館など地元のレストランやホテルに無償で提供し、プロの料理人に使ってもらった。富沢さんは「食材として魅力があり、購入意欲もあることが分かった。地元での潜在需要は高い」と手応えを話す。今年初めて北斗市と今金町の農家2戸でも試験栽培しており、秋に出荷予定。

 同農試は「長ネギと同等かそれ以上の収入確保が目標。農家経営の安定につなげたい」としている。

 国内で流通するリーキはベルギー、オーストラリア、ニュージーランド、オランダ産がほとんど。輸入量は約320トン(11年)。輸入品の店頭価格は1本400〜500円。道内では北見、上川、十勝、後志管内で生産実績がある。

提供 - 函館新聞社


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