桧山振興局、観光経済効果額算出へ独自のプログラムづくり進む

update 2012/7/14 10:43


 【江差】桧山振興局(山崎峰男局長)は、観光に特化した道南圏の経済波及効果を分析する計算プログラムづくりを進めている。イベントの来場者数から、独自の計算式で推定効果額をはじき出すシステム。関係者は「目安の一つとして各種PRや施策に活用してもらえるよう、理論を組み込んで精度の高いものを仕上げたい」としている。

 道の経済波及効果分析は、本庁の専門部署で研究されているが、観光面に焦点を当てた計算プログラムは現在ない。各地で観光協会や商工会などが大掛かりな催しを繰り広げることから、経済効果を把握して活動の充実を図りたいという要望も少なくないという。

 これを受け、桧山振興局では、この春に赴任した地域政策課の原田吉信さん(37)がプログラムづくりに着手。一般的な経済効果をはじき出す計算式は複雑で、原田さんは本庁で専門職に携わった経験を生かして研究に励んでいる。

 原田さんの計算式は、道のノウハウを最大限に活用。道観光産業経済効果調査委の消費額(全道平均)に人数を掛けて出た数値から、地元で生産できないガソリンなどの各項目を考慮し、公表資料を基に道南全体での影響を見極める。

 桧山で最大級の集客を誇る姥神大神宮渡御祭の場合、4万人前後(江差観光コンベンション協会発表)の集客があり、宿泊・日帰り客の消費単価平均で現段階の計算式に当てはめた場合、最大4億円の経済効果があるとみる。7、8の両日実施した江差かもめ島まつり(3万人、同協会発表)では来場者を日帰り客とみて計算し、約1億円の経済効果だった。

 観光事業の経済効果を民間のシンクタンクに委託する場合は、100万円単位の経費と調査時間が必要になる。主催者側の経済負担は大きく、「専門機関に依頼せず、おおよその額を経済効果とする雰囲気がある」(関係者)と根拠に基づく経済効果を見いだせずにいたのが現状だという。

 原田さんは「容易に推定値が出る理論計算の確立で費用対効果や効率的なPRに生かすことができれば、一層の地域活性化が期待できる」。山崎局長は「地域を応援する職員の知恵と努力が確実に成果をもたらしてくれるはず」と期待する。計算式は秋にも完成する見通しで、道内各地での提供を検討したいという。

提供 - 函館新聞社


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