仕入れ値“うなぎ”上り 稚魚不漁で市内専門店など悲鳴

update 2012/7/11 09:51


 ウナギの価格が高騰している。稚魚のシラスウナギが不漁のためだ。函館市内の料理店や小売店は、取引価格高騰に伴い今年から商品の値上げに踏み切った。「土用の丑(うし)の日」(27日)を控え需要最盛期だが、関係者は「客離れを考えると今の価格が限界。これ以上は値上げできない」と口をそろえる。

 「不採算だから本当はもっと値上げしたい。けど、これ以上価格を引き上げれば顧客が来なくなる」。函館市本町32のうなぎ料理専門店「鯉之助」の中里拓二社長(62)はこう話す。

 1953年創業の同店は市内随一の老舗で、ウナギは鹿児島と静岡産の一級品を使っている。仕入れ値は昨年まで1キロ約3000円だったが、今年に入り倍近い5000円台に跳ね上がった。1月から、人気の「並うな重セット」をはじめ、うなぎ全メニューを約800〜1200円の幅で初めて値上げしたが、「食べに来なくなった人もいる」と中里社長。

 同店の夏の売り上げは年間の約3分の1とあって、今は書き入れ時だ。中里社長は「これ以上仕入れ値が高騰しないことを祈るしかない。お客様には今まで通り自慢の味を提供できるよう努める」と意識を新たにする。

 五稜郭町24の「うなぎ処高はし」(高橋光一店長)も、今年1月から丼や定食などの価格を最大600円引き上げた。高橋店長(65)は「正直値上げせざるを得ないのが現状。お客様は事情を理解してくれているので、さらに高騰が続かないよう願う」と深刻だ。

 市内の小売店も客離れを懸念している。スーパーアークス港町店(港町1)では、鹿児島産のかば焼きを大小別でそれぞれ470円、700円値上げ。この半年間の売り上げは例年に比べ半減したという。今夏はより安価な中国産、アナゴのかば焼きの売れ行きが目立つといい、担当者は「うなぎの7月の売り上げは例年の約7割と見ている。後は別の食料品でカバーしたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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