一本松のように生きて 新井満さんが講演 「千の風」の誕生話も紹介
update 2012/7/10 11:14
【七飯】大沼在住の作家新井満さんの講演会が9日、大沼小学校(村上健二校長、児童63人)で開かれた。東日本大震災の津波に耐え、ただ1本だけ残った岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」を題材にした著作の朗読と名曲「千の風になって」誕生のエピソードを通じて、児童らに生きる意味や命の強さをメッセージとして伝えた。
同市沿岸部にあった7万本もの松林は、大津波にのみ込まれたが、残った1本の松が復興のシンボルとなった。新井さんは、高校3年生の時に自身が被災者となった1964年の新潟地震の経験を重ね合わせ、この松をモチーフにした写真詩集「希望の木」(大和出版)として、昨年11月に出版している。
新井さんは「よくぞ耐えたと感動した。なぜ1本だけ残ったのか、どんな意味があるのかを考えた。7万本の松は一つのファミリーで、小さな命をみんなで助けたのではないか」と話した。たくさんの松たちが命を未来につなごうと1本の若い松を守ろうとするドラマを自作の音楽に乗せて朗読し、児童をはじめ、地域の人たちを引きつけた。
また、「千の風になって」の誕生秘話を紹介。「死んだ人がいつもあなたを見守っていると語りかける歌。死者の分まで生きることが最高の供養になる」と話した。児童会長の工藤夢生さんは「震災で家族や友達、家をなくしてもくじけずに生きている人たちがたくさんいる。わたしたちも力強く生きていきます」とお礼のあいさつをした。
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