「誘致前に病院船整備を」フォーラムで導入の可能性探る
update 2012/7/10 11:13
病院船(災害時多目的船)導入の可能性を探ったフォーラム(実行委主催)が8日、函館市若松町のロワジールホテル函館で開かれた。有識者による講演やパネルディスカッションが行われ、市民ら約600人が聴講した。
病院船は、医師や看護師らが常駐し、病院機能を整えた船。陸路が寸断され、津波で多くの病院が被災した東日本大震災を教訓に海上を起点とした救援手段が必要との声が上がっており、函館市でも、函館港を病院船の母港として誘致する取り組みを進めている。
冒頭、公明党災害時多目的船検討PT副座長を務める横山信一参院議員が病院船をめぐる議論の経過などを説明。来賓の工藤寿樹函館市長は「どこが誘致するかの前にまず、国において検討し、病院船を整備することが先。今回は早期整備に向け機運を盛り上げる良い機会」とあいさつした。
講演では、公益社団法人モバイル・ホスピタル・インターナショナル(MHI)の砂田向壱理事長と日本救急医学会の有賀徹代表理事、日本医師会の石井正三常任理事の3人がそれぞれの立場で病院船の必要性や整備に向けた課題などを述べた。
災害時多目的船検討会議の委員を務める砂田理事長は、米国やスペインなどで運用している病院船を紹介しながら海上輸送の優位性や導入に向けた論点を解説。「平時にどう活用し、さらに災害時を想定した整備をどう進めるかがポイント。高速で、浅瀬や狭い海域で小回りがきき、ヘリポートを備え、300人ほどの医師団が乗り込める船が必要」と述べた。
その後のパネルディスカッションでは、横山参院議員を加え、地方の役割や運用の在り方などをテーマに意見を交わした。
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