函館市新行革プランの検討92項目公表

update 2012/7/7 11:21


 函館市は6日までに、「新たな行財政改革プラン」(2012〜16年度)に盛り込むことを検討している、具体的な対策項目を公表した。毎年度生じる財源不足を補う目的で、経常経費や給与制度のほか、福祉や公共施設など市民生活に直結するサービス、さらには各種補助金の見直しなど延べ92項目を提示しており、今後論議を呼びそうだ。

 同プランは3月に素案を策定。人口減少による税収や地方交付税の減少、扶助費の増加によって毎年16〜33億円の財源不足が生じると見込み、▽徹底した内部改革▽選択と集中による財政改革―の2本柱で、14年度以降で基金(貯金)の取り崩しに頼らない健全な財政運営を目指す。

 今回示したのは、市内部で現在検討、協議している施策で、具体的には選択と集中による財政改革として、本年度19億4400万円余りを拠出している函館圏公立大学広域連合負担金をはじめ、総合福祉センター、産業支援センターの委託料、ロシア極東大函館校支援補助金の見直しなどが盛り込まれた。

 市民生活に影響する項目も多い。外出支援を目的に、身体障害者手帳1〜3級などの対象者に対してタクシーの基本料金分の金額を助成する「重度心身障害者等タクシー利用助成」や、夏・冬の憩いの場として親しまれている湯川海水浴場と市民スケート場のあり方、市内4カ所の老人福祉センターでの入浴料有料化なども検討課題としている。

 また公共施設の抜本的見直し案として、北大函館キャンパス内に設置されている産学官交流プラザの譲渡や、縄文文化交流センターや児童館、公民館での指定管理者制度導入なども掲げた。

 今後は市議会などでの議論や庁内協議を経て、9月下旬に原案を策定。パブリックコメント(市民意見)を10月に募集し、11月以降に成案化を目指す。市行政改革課は「廃止や縮減などは現段階で決まっていないが、聖域のない行財政改革が必要。議会での議論を踏まえて方向性を庁内で決めていきたい。効果額などを積み上げて、原案に反映させたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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