解禁1カ月 スルメイカ好漁

update 2012/7/1 10:36


 道南スルメイカ漁の解禁から1カ月となり、函館市内の店頭で潤沢に出回っている。漁獲量は平年並み、魚体のサイズは平年より大きく、取引価格も上々。本格的な観光シーズンで需要が高まるだけに、漁業関係者は「このまま漁が順調にいってほしい」と願いを込める。

 6月30日午前5時半。函館市水産物地方卸売市場(豊川町)でのいかすイカの競りは、休市前で買い気が強く、順調な荷動き。スルメイカの上場数量は普段より少ない15・5トン、いけすイカの卸値は1キロあたり1350〜1250円と高かった。

 はこだて自由市場(新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」の富田貞雄社長は「量があり、売り値は落ち着いている。売れ行きもいい」と説明。「今季のイカは既に胴長が20a以上あり、(盛漁期の)秋イカみたい。商売はこれからが本番」という。現在は、いけすイカを1皿(3、4匹)1000円で売る。

 市農林水産部によると、28日現在の同市場でのスルメイカ取扱量は213トンで、前年同期より101トン多い。全体の平均市場価格は1キロ当たり368円で同2円安。いけすイカは同919円で同211円高となり、サイズが大きいため引き合いが強い。

 漁場は松前沖が中心。函館市漁協(橘忠克組合長)によると、1日からは漁船に使うA重油(組合員価格)が前月より3・2円下がり1リットル当たり80円(税別)に。今月中旬以降には漁場が前浜(函館山沖)に移ってきて、燃油代も軽減される。同漁協は「8日のオンパクイベント・プレミアム朝イカ食べ放題では70人のキャンセル待ちが出るなど、需要の盛り上がりが出てきた。このままのペースで漁が続いてほしい」と願う。

 道総研函館水試(湯川町)の澤村正幸研究主任は「群れの北上が例年より遅れていた割には、6月の漁獲は悪くなかった。ただ、太平洋側の群れの北上も遅れている模様なので、太平洋側での漁獲の本格化はまだ先になるだろう」と話している。

提供 - 函館新聞社


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