陣川町「Jバス」運行3カ月、利便性と経費削減模索
update 2012/6/28 11:11
函館市陣川町の陣川あさひ町会のコミュニティーバス「Jバス」の運行が間もなく3カ月を迎える。7月からは2カ月有効の回数券の期限を撤廃して利便性を高める一方、8月からは運行経路の変更や減便などで経費削減も本格化させる。今後、子どもの利用減が見込まれる夏休みを控え、地域住民の「足」は走りながら模索が続く。
「いまのところ運賃収入で採算は取れているが、夏こそが正念場。てこ入れを図らなければ」。同町会のJバス運営委員長の上野山隆一さん(47)はこう語り、多くの住民の利用に胸をなでおろす半面、先行きに危機感も募らせる。
同町会によると、運賃収入は21日現在、累計約140万円で、月51万円の採算ラインを辛うじて乗り切っている。6月からは町内のパークゴルフ場や商店でも乗車券の販売を開始し、新設された神山児童館を利用する小学生向けに4枚500円の割引乗車券の取り扱いも始めた。
同町会が5月中旬に函館大学の学生と協力して実施した乗客向けのアンケート調査によると、特に大型店が並ぶ中央小前のバス停での乗降が集中した半面、巡回する美原3丁目や渡島総合振興局前の利用はほぼ無かった。
このため、8月1日からは陣川地区と昭和営業所を産業道路回りで単純に往復するルートに変更。復路にあたる同振興局経由のルートを廃止することで、利用者に分かりやすく、多くの人が遠回りせずに帰ることができ、経費節減も見込めるという。
また、アンケートでは利用者の6割が10代で、うち中学生が4割を占めたことから、落ち込みが予想される8月の夏休み期間中は、平日に1日2便程度減便させる。
一方、利用者から「余って使い切れない」と要望の多かった2カ月有効の回数券の有効期限は撤廃し、7月1日から来年3月末までの試験運行期間中はいつでも使用できるように変更する。
上野山さんは「乗客の利便性を高めながら、できるだけ経費を削ることが、持続可能なJバスに磨き上げる活路。厳しい時期に入るが、運行しながら利用を拡大する方法を探りたい」と話す。今後は渋滞回避のためのルート変更や温泉施設に向かう特別便の運行も検討している。
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