JA新はこだて、CO2排出量表示で「カーボンフットプリント」取得へ

update 2012/6/26 12:38


 JA新はこだて(畠山良一組合長)は本年度、水稲湛水直播(たんすいちょくはん)栽培「ななつぼし」について、二酸化炭素(CO2)排出量を表示する制度「カーボンフットプリント(CFP)」を取得する方針だ。今年産米から、慣行栽培より環境に優しいCO2低減米≠ニして売り込む。消費者も排出量の少ないコメを買うことで、地球環境保護を応援できる。

 道産米(主食用)でCFPを取得すれば、道内初。同JA米穀課によると、水稲湛水直播栽培の作付面積は今年、大野、厚沢部、七飯、森、若松の5基幹支店管内で計約80ヘクタール。品種はほとんど「ななつぼし」。来年産は計200ヘクタールに増やす計画を立てており、CFP取得が面積拡大に向けた切り札になると判断した。

 直播方式は、田植えや育苗がいらず、CO2発生を抑制するエコ農法。密植栽培のため食味、品質に優れた均一的なコメを生産できる。弘前大の研究では、一般的に直播栽培の方が移植栽培より、CO2排出量が1ヘクタール当たり3・5%少ないという試算もある。

 同JAは渡島農業改良普及センターと連携し、CFP取得に向けた申請準備を進めている。取得すれば、認証マークを商品に張れる。同JAでは、07年産から直播方式で作ったコメを「直播(じかまき)栽培」というブランド名で本格販売している。地場の食品スーパー魚長で継続的に扱うほか、JAの店舗や通販サイトでは5キロ1750円で販売。価格は通常米と変わらないが、プレミア米として人気が高い。今年秋からは同ブランドに、CFPを表示して販売したい考えだ。同課は「このコメを食べることで、消費者も地球環境を守る意識が高まる。安定した一定水準の価格を維持していきたい」としている。



 ◆カーボンフットプリント Carbon Footprint of Products(炭素の足跡)の頭文字を取って「CFP」。商品の原料調達から廃棄・リサイクルまでの各過程で排出されたCO2総量を表示。食品や衣料品などに多い。国の試行事業を経て、本年度から民間団体が制度を引き継いだ。

提供 - 函館新聞社


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