エゾバカガイ漁休漁へ 資源確保で今夏から ひやま漁協

update 2012/6/23 11:13


 ひやま漁協(本所・乙部町元町520)は今夏、江差近海でのエゾバカガイ(アオヤギ)漁を取りやめることを決めた。近年の水揚げ減を受け、資源回復を狙い、江差では5年間をめどに休漁に入る。漁協理事でエゾバカガイ部会長の佐藤弘さん(66)は「高値がつく中での苦渋の決断だが、地域漁業の将来を見据えて多くの漁師が了解してくれている。完全に無くなる前に有効な手を打ち、一刻も早い漁の再開を願いたい」と話している。

 エゾバカガイは、高級すしのねたや刺し身、貝焼きなどに重宝される。同漁協では、2009年度に172トン(水揚げ額1億400万円)、10年度が204トン(同1億2400万円)、11年度では153トン(同9300万円)と順調だったが、今季は、せたな町大成のみの32トン(同2200万円)にとどまった。

 例年、桧山での漁は雪解けから大成を皮切りに八雲町熊石、江差、上ノ国へと8月中旬まで続く。桧山南部地区水産技術普及指導所の資源調査によると、今季は江差での規格もの(貝幅7センチ以上)が極端に少ないという。

 減少の原因は、毎年の漁獲に加え、「しけなどによる漁場の変化が考えられる。ただ、砂場を好み、場所を頻繁に変える習性があるので、違う場所に固まって生息している可能性もある」(同指導所)という。

 休漁は江差が5年、熊石は2年を目安に、その年の状況を把握し、一定の回復があった場合は前倒しで漁の再開を図る可能性もある。上ノ国は26日に資源調査を予定しているが、昨年の出漁日数が3日で3トンと伸び悩んでいたことから「江差と同じくしばらく休漁の可能性が高い」(関係者)としている。

 同漁協には、東京の業者から「少しでもいいので届けてほしい」と問い合わせが相次いでいる。近年は地元消費拡大PRも積極的で、「人気を維持するためのPRは続ける」と漁協直営販売店で真空パック詰めの冷凍商品を取り扱っている。詳細は同漁協のホームページで確認できる。

提供 - 函館新聞社


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