道南のサクラ、「灰星病」流行

update 2012/6/21 10:42


 道南の複数のサクラの名所で今春、細菌性の「灰星病」が発生していたことが分かった。日本サクラの会「桜守」(さくらもり)の浅利政俊さん(81)=七飯町=は、道総研道南農業試験場(北斗市)の協力を得て実態などを調査した。道南のサクラ園での大規模発生は初めてとし、「今後適切な管理を行うことで来年の発生を防ぐことができる」と対策を呼びかけている。

 浅利さんは長年、道南各地でサクラの管理にかかわっており、5月に松前町の松前公園内を観察中、花の部分が委縮しているサクラに気付いた。その後の調査で、函館市の函館公園や五稜郭公園、北斗市では史跡・松前藩戸切地陣屋跡へ向かう並木や運動公園、大野農業高校敷地内、森町では青葉ケ丘公園の合わせて7カ所で同様の症状を確認。

 特にシダレ系の品種に発症が多く、中には松前公園のナデンやイトククリなど八重品種でも症状がみられた。松前公園ではナデンに限っては3割が、戸切地陣屋周辺では全体の2割ほどが感染していると推定する。菌については自身で顕微鏡観察する一方、道南農試に病原菌特定の協力を依頼し原因を突き止めた。

 今回道南で初めて大規模な発生が確認されたことについて、浅利さんは「雪解けの遅れと土壌中の水分量増加で菌が生き延びやすい環境となり、これに5月初旬の急激な気温の上昇が拍車をかけた」と説明する。

 再発防止対策としては、感染部分を除去し焼却または土中分解を勧めており、感染樹への防虫剤散布や周辺への消石灰散布など有効とする。

 浅利さんは調査結果や対策を冊子にまとめ、発症を確認した市町には適切な対応を呼び掛けた。「来年再び発生させないためには適切な対処が必要。発生を確認したら菌を地上に残さないよう除去してほしい」と話している。



 <灰星病>主に花や果実、時に葉や枝を侵し、落花する時期から花全体が褐色になり枯れる。サクランボやモモなどの果樹に発生することが多いが、農薬などで事前に対応している場合が多い。

提供 - 函館新聞社


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