震災がれき受け入れ先に太平洋セメント浮上、七飯は安全性を懸念
update 2012/6/15 11:37
【七飯】第2回定例町議会は14日、一般質問を続行。東日本大震災で発生した災害がれきの処理先として、北斗市の太平洋セメント上磯工場が浮上している件で、中宮安一町長はがれきに含まれる放射性物質に対する安全性が担保されていないとして反対の姿勢を示し、「北斗市から意見を求められる機会があれば、私の基本的な考え方を述べたい」とした。
佐野史人氏の質問に答えた。
中宮町長は「被災地のことを考えれば、多くの自治体でがれきを処理することが復興、復旧に寄与すると思われるが、本当にそうなのかとも思う。放射性物質を拡散させることも否定できない」と述べ、国が示した廃棄物処理にかかわる放射性物質濃度の基準値にも疑問を示した。
その上で、安全、安心の農畜産物の生産環境を守ることが町としての責務であるとし「七飯町の環境を保ち続けることが被災地のためになる。政府や道から処理を求められても毅然(きぜん)とした態度でノーと言う姿勢でいる」と述べた。
また、佐野氏は、がれきの受け入れを表明している桧山管内から大沼までの最短距離が40キロ圏内であり、雨水による影響なども懸念されると指摘し、町内の放射性物質濃度の現状を把握しておくべきだと提言。中宮町長は地域連携協定を結ぶ函館工業高等専門学校(函館高専)に協力を要請し、町内数カ所の数値を測定をする考えを示した。
この日は、歳入、歳出に2億7152万円を追加し、総額を94億1417万円とする一般会計補正予算案など議案3件を原案通り可決。一般質問には佐野氏のほか3氏が登壇。主な質疑は次の通り。
上野武彦氏 通学途中の児童の列に車が突っ込む事故が全国で多発している。登下校時の安全対策は。
吉田雅幸教育長 通学路の中で、通勤時間帯に交通量が増える場所や、歩道のない場所など、見過ごしている場所がないか各校に調査を指示している。現地確認した上で対策を講じる。
中川友規氏 地域防災計画の見直しを早急にすべきで、町内には耐震性のない避難所も多い。
宮田東総務課長 地域防災計画の全面見直しを進めている。東日本大震災の教訓を課題として踏まえて、大野平野の活断層や久根別川を遡上する津波、避難施設の見直し、連絡体制の確立などを盛り込む考え。地域や関係機関に示し、パブリックコメントを実施するなど、年度内に策定したい。
牧野喜代志氏 函館市は福祉避難所の開設を決めたが、障害者や高齢者ら弱者の避難計画を早急につくるべきだ。
宮田総務課長 災害時の要援護者の対策として、安否確認や避難態勢の確立に向け、役場や社会福祉協議会、消防の持つ情報を一元化しようとしている。福祉避難所には、障害者用トイレやバリアフリー化されている公共施設を指定し、専門性の高い民間の施設にもお願いをしていく。
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