本年度は青ネギ栽培…高齢農家対策モデル事業 渡島総合振興局
update 2012/6/13 12:49
渡島総合振興局は、高齢農家が栽培しやすく収益性が高い新作物の導入に向けたモデル事業で、本年度に取り組む作物を「青ネギ」に決定した。栽培期間が短く、関西市場で安定した需要がある。モデル実証圃(ほ)を設置してデータを集め、栽培マニュアルを作成するとともに、専門学校と連携し料理レシピを作る。省力化と高収益を実現し、高齢者の営農継続につなげていく。
同振興局や渡島農業改良普及センター、道総研道南農試、七飯町など6団体で構成する「推進協議会」を5月上旬に設置。本年度の作物を青ネギに決め、七飯町藤城の農家1戸に実証圃(ハウス1棟3アール)を設置。年1作で今月中旬に播種(はしゅ)、8月下旬〜9月中旬に収穫予定。栽培マニュアルはJAの生産部会にも説明し、技術を広める。
苗を作らない直播(ちょくはん)方式で、収穫まで約2カ月と短いので作業負担が少ない。また、同時期に栽培されるホウレンソウの2作採り(1カ月×2回)より収益性が高く、病気にも強い。西日本では薬味として欠かせない食材で、同振興局は「主産地の徳島県は8月下旬〜9月中旬に端境期となるため、関西市場に出せば、確実に良い値が付く」(農務課)と見込む。
レシピは11月ごろまでに作る。函館調理師養成専門学校(富岡町、能戸秀康校長)の協力で、学生メーンに青ネギを使った和洋中各1点程度の料理を考案してもらう。「道南での販売機会を見据え、レシピがあると食べ方の提案がしやすい」と同課。
同課によると、管内の青ネギ生産は七飯町で2010年1戸、11年4戸、12年5戸で、道南ではなじみの薄い作物だ。
同振興局が、本年度から3カ年で取り組む「高齢化に対応した高収益新作物普及促進モデル事業」(振興局の独自事業)。渡島の農業就業人口に占める65歳以上の割合は、全道平均より9ポイント高い43%(10年農林業センサス)。後継者のいない農家の割合は74%(同)に達する一方、新規就農者数(06〜10年の5カ年平均)は17人(同課調べ)にとどまる。農村の活力維持や農地の荒廃を防ぐには、高齢者対策が待ったなしの状況だ。
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