障害者虐待相談窓口 10月に設定

update 2012/6/12 12:32


 函館市は、障害者虐待の早期発見や防止に向けた「障害者虐待相談窓口」を10月に設置する。市役所本庁舎と亀田支所の2カ所に開設する予定で、社会福祉士と保健師といった専門の資格を有した人員を置く。今後は関係団体と協議会を立ち上げるなどして準備を進めていく。

 昨年6月に成立した「障害者虐待防止法」の10月施行に伴って開設。家庭や福祉施設、職場で発生した事例や虐待と思われるケースの相談に対応する。

 通報のあった場合は内容に応じて事実確認し、家庭内で発生したケースは市が一時保護などの支援に当たる。福祉施設と職場の場合は虐待の有無を確認した後に道や道労働局に報告し、必要な措置をとる。悪質なケースは事業所指定の取り消しなどを行う。学校で発生するケースは、市の「子どもなんでも相談110番」などで受け持つ。

 これまで、障害者虐待と思われる事例の相談は市に数件寄せられている。障害者以外でも、昨年度には市内高齢者施設で従業員による入居者虐待が発覚。また、昨年度に子どもなんでも相談110番に寄せられた相談件数は過去最多の428件に上るなど、虐待防止策の幅広い強化が求められている。

 市は今後、9月までに警察や弁護士、人権団体といった関係団体で構成する「市障がい者虐待防止対策ネットワーク協議会」(仮称)を立ち上げ、組織作りを進める。またマニュアルの作成や、職員・施設従業員を対象にした研修会も開く予定だ。

 市障がい保健福祉課は「虐待防止法は今まで高齢者と子どもにはあったが、障害者だけ唯一なかった。相談窓口を設けることで助言や解決に向けた対応をし、虐待を未然に防いでいきたい」としている。

提供 - 函館新聞社


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