iPadアプリで漁船衝突防止 未来大教授ら開発
update 2012/6/10 11:20
公立はこだて未来大学の和田雅昭教授らが、船の航路データを地図上に示し、漁船などの衝突事故防止に役立つ「iPad(多機能携帯端末)」向けのアプリケーションを開発した。このほど同大がアプリの販売を開始し、和田教授は「予想以上の反響に正直驚いている。水産業だけでなく、工業船などさまざまな分野から利用したいと声が寄せられている」と話している。
開発したアプリ「マリン・プロッター」はAIS(船舶自動識別装置)が発信する情報を受け、利用者が選択した海域の大型船舶などの位置を地図上に示し、速度や進行方向が確認できる。
AISは船舶の大きさや現在位置などに関する情報を周辺の船と継続的にやりとりする装置で、大型船舶には設置する義務があるが、漁船にはない。そのため、狭い海域で大型船舶と行き交う際の安全確保などに課題にあった。このアプリを利用すると、AISを搭載していない漁船が大型船舶などの付近を通る際の衝突事故防止に役立つ。改行 船の位置や航路から魚などが獲れる海域を推測でき、操業効率の向上にもつながる。
和田教授らは留萌市の漁業関係者らの協力を受け、海の資源管理や操業効率アップを目指して研究を重ねてきた。当初は防水タイプのパソコンを利用し、データを記録していたが、利便性を考えiPad向けのアプリで製品化した。実際利用している漁業者の評判は上々で、フェリー会社などからの問い合わせも多いという。
和田教授は「今後、全国の船の位置情報などを一つに管理して共有し合うネットワークを作りたい。万が一の事故が起きた場合、船舶位置がわかることで素早く人命救助ができる」と話している。
アプリは米アップル社のアプリ検索画面でダウロードできる。
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