道経営改革案 HAC函館―旭川線休止へ

update 2012/6/9 11:41


 北海道エアシステム(HAC)の経営再建問題で、道は8日、収益性の低い函館―旭川線と丘珠―女満別線の2路線を休止する経営改革案を示した。一方、採算性の高い函館―丘珠線は増便も検討。函館―奥尻線など離島路線は維持する。11日に道庁幹部が経過説明や意見聴取のため、函館市など関係自治体を訪れる。 改革案によると、現在の3機以上の増機は難しく、3機体制の機材繰りでは「減便や路線の休止は避けられない」と指摘。旭川線については今年に入り、利用率が20%前後と低迷していることから、「収益上の観点を踏まえ、いったん休止せざるを得ない」と結論付けた。

 函館―旭川線はHACが新体制となった昨年6月から、土日、祝日に1往復運航。HACによると、昨年6月から今年4月までの平均搭乗率は33%で、5割強とされる採算ラインを大きく下回る。今年の利用率は1月23.3%、2月17.7%、3月18.9%と落ち込みが続いている。

 一方、基幹路線として1日5往復している函館―丘珠線については「収益路線であり、増便を検討すべき」と判断。昨年6月から1往復増便され、今年4月までの平均搭乗率は58.2%と好調に推移している。函館―奥尻線は「路線の維持は大変重要。HACによる運航継続が適当」とした。

 函館市港湾空港部は「地域にとって影響は大きいが、市民の利便性や出資自治体としての考え方を整理しなければならない問題で、慎重にならざる得えない」と話す。11日午前にも道建設部の幹部2人が函館市役所を訪れ、片岡格副市長に改革案の概要を説明し、関係自治体として意見を聴いたうえで、13日にも最終報告書をまとめる。

 市は現在、HACに対して5%にあたる約2800万円を出資。今後、HAC路線が消滅する旭川市や女満別空港の周辺4市町が出資から手を引けば、その他の関係自治体の負担が増える可能性もあり、今後も難局が予想される。改革案では外部監査法人の再生計画で示された丘珠―三沢(青森県)線も「就航を検討すべき」と明記した。

提供 - 函館新聞社


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