福島避難者が自立生活へ「ネットワーク函館」発足
update 2012/6/6 10:28
東日本大震災や東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から函館・道南に自主避難した人たちでつくる「福島避難者ネットワーク―函館」(鈴木明広代表)がこのほど、発足した。避難者自らがつくる支援組織は道南では初めて。4世帯15人で立ち上げ、行政機関への支援拡充の要望や避難者の情報共有化を図りながら、避難先での生活再建につなげる活動を進めていく。6日には函館市役所を訪れ、自立生活の支援を求める要望書を提出する。
要望書では、@災害救助法による民間の借り上げ住宅の3年間延長A雇用・起業への援助B就学支援の条件緩和C甲状腺検診など健康上のサポート―などを盛り込み、市議会にも陳情する。
鈴木代表(52)は「函館など避難先に縁のない自主避難者の多くは自立した生活に不安を感じている。子供を放射能から守るために避難しても経済的困窮に陥って福島に戻った人もいる。長期的な視点に立った支援を望みたい」と語る。
道によると、道南には震災以降、函館市117人、北斗市26人、七飯町8人、八雲町9人の計160人(5月末現在)が福島県から避難している。家族と離れて暮らす人の中には生活費の二重出費で悩む人も少なくない。
今後は避難者に呼び掛け、さらにネットワークを構築していく。道南の支援団体とも連携し、避難者同士が交流する場や保養ツアーも企画したい考えで、「地道に取り組んでいきたい」と鈴木代表。
同ネットワークに参加する小松幸子さん(46)と橘高由香さん(28)は子どもたちを連れて函館に避難。小松さんは「今は災害救助法などで何とかやっていけるが、いつまで続くかわからず、このままでは生活基盤が成り立たなくなる」と危惧。橘高さんも「雇用が一番の問題。貯金を切り崩す現状では笑うこともできない」とため息をつく。
2人によると、福島にいる知り合いも金銭面や子どもの進学問題で移住を躊躇(ちゅうちょ)する人たちも多いといい、「避難した当事者が情報提供したり、市などに要望することで少しでも改善につながれば」と話す。
問い合わせは鈴木代表TEL090-2984-3752。
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