昨年度の観光客410万人…函館市 震災響き47万人減
update 2012/6/2 10:29
函館市は1日、2011年度の観光客入り込み数(推計値)を発表した。函館を訪れた観光客は前年度比10・4%(47万8000人)減の410万8000人となり、平成元(1989)年以降では最も少なかった。東日本大震災後の上期(昨年4〜9月)の激減が大きく影響し、市は「今後は人数だけではなく、宿泊日数や消費額を伸ばすことも命題」としている。
市観光振興課によると、比較可能な統計が残る1963年以降、前年度比では有珠山が噴火した00年度の7・9%(42万2000人)の下げ幅が最大だったが、昨年度はそれを上回り、過去最大の減少数、減少率となった。ピーク時の1998年度(539万2000人)に比べて128万4000人も減った。
上期は前年同期比14・4%減の266万7300人と大幅な落ち込み。4〜6月は前年より各月3割程度減少したが、夏場にはいったん回復。下期(同10月〜翌年3月)は市縄文文化交流センター開館(10月)などで堅調に推移したが、1〜2月の大雪が響いた。
宿泊率は同3・6ポイント増の66・7%と好調。湯の川地区は同6・2%減だったが、本町、JR函館駅前地区は0・1%増で明暗。同課は「東アジアからの外国人団体客の減少が影響したのでは」とみる。地域別のシェアでは、海外を含む道外客が63・3%と割合を減らしたのに対し、道内客は36・7%と伸びた。
交通機関別では、最も多いバスが同11・4%減、次いでJRが同8・3%減。乗用車は「休日千円」の高速道路料金割引などの廃止で同13・6%減と大きく落ち込んだ。一方、函館を訪れた修学旅行生は7万5700人と過去最高を記録、「震災で東北地方から切り替えた道央圏や東北地方の学校が多い」という。
本年度は昨年度の反動増で前年比2〜3割増で推移しているとみられ、市は10年度並みの年間450万人を見込む。同課は「滞在日数やリピーターを増やし、夏場に向けて台湾や関東、道央圏で誘致活動を強化したい」としている。
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