函館市が海洋発電参入へ調査
update 2012/5/31 10:57
函館市は、海流や潮流を利用した「海洋発電」への参入に向けた調査を開始している。津軽海峡の潮の流れの速さに着目するとともに、市内の機械・金属業をターゲットにした産業振興につながる可能性を模索。政府が本年度中をめどに、実証実験を行う海域を公募する方針を打ち出したことを踏まえ、公募を視野に入れて検討を進める構えだ。
海洋発電は、海水の運動エネルギーを利用し、水車によって回転エネルギーに変換させて発電する方式。欧米諸国で技術開発が盛んに進められ、フランスとノルウェーには潮力発電所がある。
政府は海洋発電を新たなエネルギー政策の柱の一つに位置づける。25日に開かれた総合海洋政策本部(本部長・野田佳彦首相)では海洋エネルギーの実用化を目指し、13年度中に実証実験を行う海域を全国の自治体から公募し、早期に実験を行うことを目標に掲げた。また海域利用に関する法制度を整備する考えも示している。
「函館国際水産・海洋都市構想」を打ち出している市は、1〜3ノットと言われる津軽海峡の激しい潮流や、市内に造船業をはじめ、機械金属系の工場が点在していることに着目。同構想が水産分野に特化していることから、工藤寿樹市長は「海洋の分野でできることがあれば取り組みたい。地元の新たな産業興しにもつながる可能性がある」と注視する。
現在は海洋発電に関係する企業の調査を進めるとともに、北大をはじめ、公立はこだて未来大や函館高専などの学術研究機関との連携を視野に入れる。一方では漁業関係者との利害調整が欠かせないため、漁業権に関する調査も必要となる。
市企画部は「日本では実用化されておらず、さまざまなハードルがあるが一考の余地がある。知見を持った企業や学識者とのつながりを強めて、実現の可能性を模索したい」と話している。
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