函館保健所、放射性物質測定器導入へ
update 2012/5/30 10:31
市立函館保健所は本年度、食品などに含まれる放射性物質を測定できる精密検査機器を導入する方針だ。より詳細に短時間で放射線量を検査できる高性能な機器の導入は道南では初めてで、市内へ流通する食品の安全と安心を確保する狙い。市は6月の定例市議会に購入費約2000万円を盛り込んだ補正予算案を提出し、早ければ年明けからの稼働を目指す。
同保健所によると、同様の測定器は道内の公的機関では、道立衛生研究所と札幌市衛生研究所にあるのみ。既に渡島保健所などにある簡易型の測定器よりも詳細な数値まで検出でき、「放射性セシウムは1`あたり1桁台まで調べられる」(生活衛生課)という。
今回導入するのは「ゲルマニウム半導体検出器」。食品に含まれる放射性物質の種類や放射能の強さを測定でき、結果は30分〜1時間程度で判明する。市立函館保健所内にある市衛生試験所に設置し、民間からの依頼があれば、1検体当たり2万円程度で測定を引き受けることも検討している。
導入の背景には、食品衛生法に基づく放射性物質の新規制値が4月から設定され、飲料水では1`あたり10ベクレルと、震災後に示された暫定規制値の20分の1と厳しくなり、より詳細な数値の検出が必要になったことがある。1台約2000万円の購入費用のうち約920万円は国からの補助金で賄う予定だ。
今後、補正予算案が市議会で承認されれば、7月にも競争入札で機器を購入。年明けから稼働を始め、来年度から本格運用する。同保健所は「東日本大震災の被災地など17都県産の農水産品などを対象に、市内で二重チェックすることで食品の安全性を高めたい」としている。
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