多数の改善要望 実施はわずか…「通学路の安全」市教委調査

update 2012/5/28 11:12


 函館市教委は、市立小中学校の通学路の安全確保に関する調査結果をまとめた。各学校とも一定の安全対策に取り組みながら、道幅の拡幅や信号機設置など改善を要望。しかし、予算などの関係から多くは実施できていない実態が分かった。

 4月に京都府で児童の列に車が突っ込む事故が発生したことなどを受け、16日に各校に調査票を送付。改善要望している点(予定含む)や通学路の点検項目、登下校中に交通事故に遭う恐れのあった事例などを調査した。

 改善要望(複数回答)の項目では、小学46校中18校と中学28校中8校が、車と接触しないための道幅拡幅を要望。信号機の設置は小学17校、中学5校に上った。このほか、横断歩道の設置は小学16校、中学4校で、ガードレールの取り付けも小学12校、中学6校が回答した。

 要望は毎年各学校から市教委に上げており、昨年度は103件が寄せられた。しかしそれを受けて本年度着手する工事は上湯川小と弥生小のガードレール設置などわずか5件ほどで、改善が図られている箇所は毎年少数にとどまっている。

 整備を進める市土木部は「厳しい財政状況の中、用地制約など難しい問題もあるためすべての要望に応えるのは厳しい」と話す。 調査ではこのほか、小学13校、中学6校が、過去に交通事故の恐れのあった事例があったと回答。原因として車のスピードの出し過ぎや運転マナーの悪さが目立った。

 上湯川小では3年前、登下校時の危険箇所を知らせるマップを作成。安全対策に本腰を入れて取り組んでいる学校もあるが、「不意の事故だといくら子どもたちが気をつけていても身を守るのは難しい」(市教委)と運転マナーの向上を呼び掛ける。

 交通量の多い産業道路を通学路にする小学校は「通勤、通学時の自転車が特に危ないので注意を促している。細い道は歩道を広げたくても土地の関係などで物理的に難しいので、常に事故に遭わないための意識を持つことが大切」と話している。

提供 - 函館新聞社


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