ツチクジラ初水揚げ
update 2012/5/26 11:51
道南日本海のツチクジラ漁が解禁となった25日、函館市豊川町の豊川埠頭(ふとう)に初水揚げがあった。ツチクジラの捕獲は今年全国初。松前町の沖合い約36キロで捕獲された体長8.9メートル、重さ8.3トンで雄とみられる。26日朝に市水産物地方卸売市場(豊川町)で初競りにかけられ、スーパーや鮮魚店の店頭に並ぶ。
函館で操業しているのは、和歌山県太地町漁協の小型捕鯨船正和丸(15.2トン)。昨年に続いて漁解禁初日に捕獲された。6月30日までの間、捕獲数が10頭に達するまで漁が行われる。
この日は午前3時40分に松前港を出港。同7時20分に20頭の群れを見つけ、午後零時20分に捕獲。クジラを曳航しながら、午後7時ごろ函館港に入港した。埠頭に接岸後、ツチクジラはクレーンでつり上げられ、トレーラーに載せて市内の処理場へ運ばれた。陸上班で作業した太地町のクジラ漁師、坂口充則さん(46)は「やや小ぶりだが、初日に捕れるのは幸先がいい」と話していた。
昨年は福島第一原発事故の影響で肉に含まれる放射性物質の検査をしたが、今年は行わないという。
ツチクジラは、国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外で、農水大臣許可による商業捕鯨。函館ではこの時期にツチクジラの肉を使った竜田揚げやカレーなどが味わえる。
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