震災がれき受け入れ、工藤市長が慎重姿勢崩さず

update 2012/5/25 11:35


 函館市の工藤寿樹市長は24日の定例記者会見で、日乃出清掃工場(日乃出町)の焼却灰の放射性物質測定結果について「国の基準を大幅に下回り、人体や食べ物への影響に問題はない」との認識を示し、「測定したから(震災がれきを)受け入れるということではない」と述べ、あらためて受け入れに慎重な姿勢を強調した。

 測定は、東日本大震災で発生したがれきの受け入れを判断するうえでの基礎資料として平常時の放射能濃度を把握する目的。4月と5月の2回、家庭ごみの燃えがらの「主灰」と、集じん機で集めた炉内に飛散する「飛灰」の放射性セシウム濃度を調べた。

 「飛灰」からは4月に1`あたり81ベクレル、5月に同53ベクレルを検出し、工藤市長は「これまでの核実験やチェルノブイリ、福島の原発事故の積み重ねが影響しているのでは」と推測。がれき受け入れの判断材料としては「直接的に影響するものではない」と、あくまで参考値との見解を示した。

 仮に受け入れた場合、焼却灰が市内の最終処分場に残ることを懸念し「積極的に受け入れますと、手を挙げる考えはない」と現時点で受け入れは困難とした。今後は年に1〜2回、測定を継続し、近く補正予算で同保健所に高度な放射性物質の測定器を導入する意向を示した。

 道内の焼却施設では、平常時の焼却飛灰のセシウム134、137の濃度は、札幌市(4月)で同16〜22ベクレル、苫小牧市(5月)で59〜72ベクレルと、いずれも函館市を下回っている。

提供 - 函館新聞社


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