江差線3セク正式決定…並在協
update 2012/5/24 10:58
北海道新幹線開業に伴いJR北海道から経営分離される並行在来線の江差線五稜郭―木古内間(37・8キロ)の旅客輸送について、道と函館市、北斗市、木古内町でつくる「道南地域並行在来線対策協議会」の第9回会合が23日、渡島合同庁舎で開かれ、第三セクター形態で鉄道を残すことを正式に決めた。2014年4月の三セク会社設立に向け、同協議会を衣替えし、同じ構成員で「道南地域(五稜郭・木古内間)第三セクター鉄道開業準備協議会」を同日、設置した。
協議会には高井修副知事、工藤寿樹函館市長、高谷寿峰北斗市長、大森伊佐緒木古内町長が出席。51・6億円と試算される開業後30年間の公共負担額(赤字)は道が80%、北斗市が11・2%、函館市と木古内町が4・4%ずつ負担する。赤字経営が予想されるため、5年ごとに利用実態や収支動向を検証し、改善が見込めない場合は事業形態や費用負担割合を見直す。
三セクは、道が主体となり設立準備をする。本年度に運行基本方針の作成、JRからの譲渡資産の仕分け作業に着手。13年度にダイヤや運賃、利用促進策などを盛り込んだ経営計画を決定。また、国やJR北海道に対し三セク支援に関する要請活動にも取り組む。会合では、各首長から、JRから引き継ぐ路盤の安全対策や赤字縮小のための利用促進、道・3市町の負担軽減などを求める意見が出た。
取材に対し、高谷市長は「(利用促進に向け)市民意識を高めるフォーラム開催、駅数を増やすこと、観光面の活用を考えていく」と強調。「国は10年間で1000億円(貨物調整金)の財政支援を決定しているが、期間の延長や、さらに手厚い支援を求めていく。われわれの努力も必要だが、道にはリーダーシップを発揮してもらうことを期待したい」と述べた。
大森町長は「ほかの事業で道、国からの支援をいただいており、トータルで考えることが必要」と説明。「比率は少ないが、比率以上の発言をして赤字額が減るよう地域だけでなく、外から来た人に乗ってもらえる鉄道にしたい」とした。
工藤市長は「できるだけ利用促進を図りながら、赤字幅、税金の投入を軽減する努力をしていかなければ」と語った。
高井副知事は「道議会でも協議を進めていく。(当初から)赤字が生じるだけでも順風ではない。利用促進策、国の支援をどう得られるかが課題。他県でも、いろいろな国への支援を求め、ある程度勝ち取れてきた。道としてどういった要請をすべきか判断していきたい」と述べた。
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