道教大名誉教授・佐々木さん 音楽教育功労者に
update 2012/5/20 11:46
函館在住の作曲家で道教育大名誉教授、佐々木茂さん(66)がこのほど、日本教育音楽協会(東京)の2011年度音楽教育功労者に選ばれた。作曲を中心とした函館、道南の音楽教育発展への多大な功績が認められた。佐々木さんは「まだまだやりたいことがある。これを励みに精進したい」と意欲を新たにしている。
同協会功労者表彰は全国の音楽教育者が対象。佐々木さんを含め、同年度は元小中高教諭ら全国から7人が選ばれた。道南では2008年度功労者の道教育大名誉教授、寺中哲二さん=函館在住=に続き、2人目。
佐々木さんは1945年稚内出身。69年に国立音大作曲学科を卒業後、道教育大函館分校に赴任。助手、講師、助教授を務め、1994年に教授に就任した。2009年3月の退職まで約40年間、作曲、音楽理論といった分野で後進を育て、音楽教諭や演奏家ら400人以上を道内外に送り出してきた。
その傍ら、函館出身のバンド「GLAY(グレイ)」の楽曲構造を用いたユニークな創作授業を市内の学校で展開してきたほか、「海です」「明日があるから」といった函館の子どもたちのための歌に加え、町歌、校歌を約30曲手掛けた。市民活動の場でも、混声合唱組曲「江差」や本道初の創作オペラ「千軒の悲歌」など、道南を題材とした創作に続けてきた。
現在は函館短大で保育学科長を務め、幼児教育の指導に携わる。佐々木さんは「さまざまな人たちの刺激を受けながら、好奇心の赴くまま仕事してきた」と振り返り「幼児向け音楽教育も創作活動も続けていかなければならない。今後も函館のために、地元に根差した仕事を続けていく」と話している。
同協会は音楽教育の諸問題の解決を図ろうと1922(大正11)年に発足した研究団体。同年から雑誌「教育音楽」を出版し、32年にはNHK全国学校音楽コンクールの前身となる「全国児童唱歌コンクール」を創始した。功労者表彰は51年に始め、これまでに約230人を表彰しているが、創設90周年の今年で組織を解散する予定という。
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