柔道事故予防へ 安全対策問題なし…函館市教委が調査

update 2012/5/17 11:12


 本年度からの中学校での武道必修化に伴い、函館市教委は16日、柔道を選択する市立中学校を対象とした指導体制に関する調査結果をまとめた。柔道を選択するのは28校中18校。いずれの学校も2学期からの授業に向けて問題はなく、指導体制の整備や安全性確保に向けた準備を進めている。

 武道必修の対象は1、2年生で、柔道の授業は年間平均8〜10時間を予定。暑さや行事の重なる1学期を避け、すべての学校が2学期から行う。

 調査は4項目。▽一定の指導歴または研修歴を持った教員が指導する体制が整っている▽段階的な指導など安全確保に留意した授業計画になっている▽設備が整っている▽事故発生時の応急処置や連絡体制の方法を共有している―かどうかを調べた。

 その結果、設備以外の3項目で18校が問題がないと回答。整備は畳の設置が主だが、以前から選択していた6校以外は2学期までに整えるとしている。指導体制などは、2月に市中体連が主催となって実施した実技研修での経験や、1学期中に道教委が開く研修などをふまえて回答したとされる。

 柔道については事故の危険性の高さが指摘されている。ほかの武道やスポーツと比べ後頭部を打つなどのケースがあり、死者も出ている。現場からは指導体制を万全とする一方、受け身の習得に時間が掛かるとの声が上がっており、安全性の確保について神経をとがらせている。

 30代の男性教諭は「指導については研修に出ているので基本的な部分は押さえているが、危険性の高い大外刈りや早めの乱取りはなるべく避けたい」とする。加えて「1年生のうちは礼儀や受け身、寝技など手順をふんだ指導をすることが大事」と話す。

 市教委は「柔道の経験がなく研修に参加しても指導に不安を覚える先生は、柔道連盟など外部の専門家らでバックアップできる。無理のない段階的な指導をすることで事故は防げるはず」としている。

提供 - 函館新聞社


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