石崎さん オルガンの本場・ドイツでリサイタル

update 2012/5/16 11:22


 函館のオルガン奏者、石崎理さん(45)が27日、オルガンの本場・ドイツの教会でリサイタルを開く。演奏曲は函館の作曲家、作道幸枝さん(31)が石崎さんのために手掛けた組曲がメーン。留学先の思い出の地での演奏とあって、石崎さんは「ドイツ人がどう聴いてくれるのかとても楽しみ」と話している。

 武蔵野音大大学院を修了した石崎さんは、ドイツ・ヴュルツブルグ音大へ留学。現地で5年半オルガンを学んだ後に帰国、函館を拠点に演奏活動を続けている。今回のリサイタルは2年前、作道さんにオルガン作品の作曲を依頼したことがきっかけだった。

 作道さんは石崎さんの希望に合わせ「物語性のある作品を作ろう」と決意。カナダの作家ピーター・レイノルズさんの絵本「ほしをめざして」を題材に作曲していた時、石崎さんが「しっかりした形で録音したいね」と提案。留学時代の音楽仲間に連絡したところ、リサイタルの開催を薦められたという。

 作道さんの作品は5楽章形式のオルガン組曲「My Star」。人生に迷いつつも自己を見つめ直し、星の輝きに導かれて再出発していく主人公の世界観をメロディックに再現したほか、残響の長さを楽しんでもらう工夫も。このほか、J・S・バッハの賛美歌を用いた「バッハとの融合」も作った。

 リサイタルは27日、ヴュルツブルグの聖十字架教会で午後8時からの予定。2人は22日に函館を発ち、石崎さんは24日から3日間、同教会で楽器の試奏を繰り返し、本番に備える。

 石崎さんは「オルガンが市民に根付いているドイツでのリサイタルは挑戦という感じ」と語り、「作道さんの素晴らしい作品を初演できるうれしさ、大規模な教会で演奏できる喜びを胸に精いっぱい演奏したい。録音した音源は、何らかの形で函館市民にも紹介できれば」と話している。

提供 - 函館新聞社


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