小川さんがピアノ調律師1級合格
update 2012/5/14 10:10
函館市梁川町のピアノ調律師、小川進さん(50)がこのほど、浜松市で行われた日本ピアノ調律師協会(東京)主催の第1回技能検定の1級試験に合格した。調律師を国家資格に認定する初の試験で、函館ではただ一人の合格。小川さんは「とてもうれしい。技術職の道に終わりはないけど、励みになる」と意欲を新たにしている。
この試験は、調律師の技術や地位の向上を目的に、同協会が厚生労働省の指定を受けて初開催。レベル別に3〜1級あり、1級はアップライトピアノとグランドピアノ両方の調律技術を審査。昨年11月に一次審査の学科試験、今年2月に二次審査の実技試験が行われた。同協会によると、1級には全国から252人が応募、32人が合格し、本道から4人が合格したという。
小川さんは一般家庭の楽器の調律や修理を中心に、演奏会での調律も担うこの道30年の職人。今回は「腕を試してみたかったし、国家資格にも魅力を感じて」受験。ピアノの歴史や楽器の構造などを問う学科試験を合格すると、実技では指定された周波数で2つのピアノを調律。弦の張り替えや、ダンパーと呼ばれる消音装置のワイヤ交換なども行った。
4月中旬の発表で合格が分かり、今月上旬合格証書が届いた。小川さんは「実技試験が行われた浜松市は、空気が乾燥する函館とは違って湿気や気候に違いがある。こうした環境の相違は弦の張力の調整にも影響してきて、加減が難しかった」と振り返り、「さまざまな弾き手の要望にしっかり応えられるよう頑張ってきたけど、合格は一般の愛好家や演奏家の存在があったからこそ。感謝の気持ちでいっぱい。この職業の地位向上につながるのでは」と笑顔を見せている。
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