サクラの下で夫婦の手紙
update 2012/5/8 11:05
【松前】「夫婦の手紙第5回全国コンクール」(実行委主催)の公開発表会が6日、松前公園の夫婦(めおと)桜前の特設広場で開かれ、満開の桜の下、松前高校の生徒2人が入賞作品を朗読した。それぞれの夫婦のドラマが読み上げられ、会場は感動に包まれた。
同公園の天神坂にあるソメイヨシノと南殿が接ぎ木によって一つの根で結ばれ、寄り添うように立っていることにちなみ「夫婦桜」と名付けられた。命名を記念し毎年、妻や夫に宛てた手紙を全国から募っている。今年は全国各地から672通の応募があり、先月、町民100人が審査を行った。
作品を朗読したのは、同校3年の村上大夢(ひろむ)君と小平菜月さんの2人。夫婦が歩んだ道のりや互いを思いやる優しい言葉がつづられた手紙を、感情を込めて読み上げていった。会場には約150人の観客が訪れ、愛情あふれるメッセージに聞き入っていた。
最優秀賞に選ばれた市川久美子さん(55)の作品は、脳梗塞で倒れた夫に宛てたもの。障害が残った夫に、感謝の気持ちとともに病と闘っていく決意をつづった。佳作に選ばれた函館市の道家庸煕(のぶひろ)さん(78)は亡くなった妻への思いをしたためた。
会場を訪れた道家さんは「受賞は人生の宝物になった」と笑顔を見せ、娘の荒良木麻美子さん(36)も「父が母をどう思っていたのかを初めて聞いた。母のことを思い返す良い機会になった」と話していた。
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