森・佐藤町長が震災がれき受け入れ断念

update 2012/5/3 10:16


 【森】東日本大震災被災地で発生したがれきの広域処理にかかわり、森町の佐藤克男町長は町内での受け入れを断念する考えを固めた。意向を撤回するように求めた町議会の要請を受け入れた。佐藤町長は「議員全員の総意であり、町長として真摯(しんし)に受け止める。支援の気持ちはあるが、積極的に進めることはしない」と話している。

 佐藤町長はこれまでに町内で開かれた会合などで震災がれきの受け入れを表明。放射性物質の不検出を主条件に、焼却灰、可燃ごみは受け入れず、不燃ごみのみとするなどの条件を挙げ、町民、議会の合意が必要であるとの認識を示していた。

 一方、町議会は4月27日に、野村洋議長らが議会の総意として、受け入れ撤回の要請書を提出。放射能の影響が明確でないことや、地下水を使用する水道未普及地域への影響の懸念、農漁業への風評被害などの問題点を指摘し、再考を求めていた。

 佐藤町長は取材に対し、1961年の森町大火復興に全国から支援が寄せられたことや、町内で盛んなホタテの養殖技術を岩手県の三陸沿岸から教わったことなど歴史的なつながりに触れ、「お世話になった地域への恩返しをしたい気持ちには変わりない。議会、町民双方の同意がなければやるべき事ではないが、町民から受け入れるべきとの声が多くなれば、議会に再度相談したい」と述べた。

提供 - 函館新聞社


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