三セク費用負担 木古内町受け入れ表明

update 2012/5/2 10:40


 【木古内】北海道新幹線開業に伴いJR北海道から経営分離される並行在来線の江差線五稜郭―木古内間(37・8キロ)の第三セクター費用負担問題で、木古内町の大森伊佐緒町長は1日、道が提示した22%の負担割合を受け入れる意向を明らかにし、同日の町議会に説明した。議会側もこれを了承。同町が受け入れの姿勢を示したことで、沿線3市町間の費用負担問題が決着する見通しとなった。同町は10日に住民説明会を開き、最終判断をする。

 三セクの費用負担をめぐっては、沿線の函館市、北斗市、木古内町の3首長による会合が4月18日に開かれ、道がたたき台として示した3市町間の負担割合(北斗市56%、函館市22%、木古内町22%)の算定要素を説明。北斗市と函館市は受け入れる考えを表明していたが、木古内町は厳しい財政事情を理由に難色を示し、動向が注目されていた。

 1日に開かれた町議会総合交通体系調査特別委員会で、大森町長は「2市はすでに受け入れる考えを示しており、木古内町のさらなる負担軽減は困難と判断した」と述べ、理由を説明。また、「重い負担ではあるが、財源確保に努め、鉄路存続で住民の足の確保を図りたい」と議会側に理解を求めた。

 大森町長は、道の算定方法などには不満を示す一方、道と3市町の負担割合を8対2としたことを評価。また、今後の新幹線関連事業を見据え、「道、JR北海道との関係を大切にし、町にマイナスにならないようにしなければならない」とした。

 質疑では「これ以上負担は増えないのか」「財政規模を考えれば、函館市と同じ比率なのはどうか」などの意見が上がったが、議論の結果、議会側も了承した。

 町では10日に25町内会の町内会長を集め説明会を開き、理解を求めるほか、要望があれば個別に町内会での説明会も開催するとしている。大森町長は取材に対し、「議会の理解を得られたので、鉄路存続に一歩近づいた」と話した。



 3市町間の費用負担割合が固まったことを受け、今月下旬に開かれる道南地域並行在来線対策協議会で、道と3市町が事業形態と負担割合について最終合意する。道は木古内町議会の容認に関して「最終合意に向けた大きな一歩」(新幹線・交通企画局)と受け止める。同局は「住民説明の手続きを踏んだ上で、協議会に臨んでほしい」とする。

 北斗市は56%の負担に「異存はない」(高谷寿峰市長)とし、22%を提案された函館市はゴールデンウイーク明けに市議会の総務常任委員会に報告し、受け入れる意向だ。

 道などは、2014年4月の第三セクター鉄道会社の設立を目指す。

提供 - 函館新聞社


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