江差線、木古内で貨物列車脱線

update 2012/4/27 11:43


 26日午前6時10分ごろ、JR函館線五稜郭駅構内で、広島貨物ターミナル(広島県)発札幌貨物ターミナル行き貨物列車(20両編成)の車軸付近から火花が出ているのを同駅員が発見した。JR貨物の社員らが消火、車両点検したところ、18両目の車両下にある部品が破損。線路点検を行った結果、木古内町のJR江差線釜谷駅付近で約1.9キロにわたり脱線した痕跡が見つかった。国土交通省運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が、同日午後に現地入りし、事故原因を調べている。

 JR北海道では同日夜から枕木の交換を行い、27日は始発から平常通り運転を再開する予定。

 JR北海道によると、脱線痕が見つかったのは同町亀川のサラキ岬付近のカーブからで、釜谷駅の駅舎までは約1.5キロあり、さらに函館方向に約400メートルにわたり続いた。同駅構内では同6時ごろ、列車の進路が切り替わらなくなるポイント不転換も起きていた。

 貨物列車を点検したJR貨物は、18両目の貨車底にある衝撃などをやわらげる装置の破損を認め、8つ設置されていたブレーキパッド4つがなくなっていることも確認した。男性運転士(28)にけがはなく、「走行にも異常は感じなかった」と話しているという。

 JR貨物などは一度脱線したまま走行を続けていたが、同駅構内で線路上に戻ったとみて調べている。

 同日午後4時ごろ、釜谷駅に到着した村田和三、金澤学事故調査官が約3時間にわたり、同社員や警察など約30人と現場検証を行った。村田調査官は報道陣の取材に対し、「脱線した状態で地上設備などを壊しながら長い距離を走行していた。釜谷駅を出るところから、脱線した車輪がもとに戻って走った痕跡があった」と事故の状況を説明。「脱線の理由やもとに戻ったメカニズムについては、JR北海道などからの資料を持ち帰り、東京で分析し公表する」と話した。車輪がレールの右側に約20a脱線していたことや、脱線によってポイントが損壊したことも確認。また、「車両の先頭と後ろでは距離が長いので、運転士が(脱線に)気づかなかったのでは」とした。27日も午前9時から列車の調査を行うという。

 この影響で五稜郭駅―新中小国駅(青森県)で運転を見合わせていたが、JR津軽海峡線上磯駅―木古内駅間の上下線を除く区間では、安全が確認されたため運転を再開した。特急列車26本を含む約50本が運休、一部の特急列車は木古内駅―函館駅間をバス代行で対応したが、約3500人に影響した。

 上磯高校(山崎雅明校長、生徒211人)は同日、事故を受けて休校を決めた。 釜谷駅近くにの線路沿いに住む70代の女性は「普段、列車が通る時の音とは全く違う、鈍い音を立てながら走っていたので、すごくびっくりした。タンスなども揺れていた」と不安そうに話していた。

提供 - 函館新聞社


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