工藤市長 がれき受け入れ慎重姿勢
update 2012/4/25 11:18
函館市の工藤寿樹市長は24日の定例記者会見で、東日本大震災で発生したがれき問題について「函館は観光、水産のまちであり、受け入れた場合の風評被害が懸念される度合いが高い」と述べ、「被災地に対する思いも大切だが、市長として函館市民の生命、安全を最優先で考えなければならない」として、受け入れに慎重な考えを示した。
工藤市長は、津軽海峡を挟んだ青森県大間町で建設されている大間原発の問題に触れ「原発や放射能に対する市民の意識は敏感で、ナーバスになっている」と指摘。「そういう中で積極的に手を挙げて受け入れる気持ちにはなれない」と述べた。
また、日乃出清掃工場(日乃出町)の焼却炉で平常時に発生する灰やすすなどの放射線量についても現在調査中で、5月にも結果が判明する見通しを明らかにし、「一方的に受け入れないということではなく、他都市の状況などあらゆる可能性を検討している」と述べ、受け入れに含みも持たせた。
また、北斗市の太平洋セメントが受け入れに前向きな姿勢を示していることについては「行政区域が異なり、道から(函館に)個別に要請されていない中で、隣の町が受け入れるのを感情的に反対することはできない」と説明。両市で受け入れに関する事前協議は行わず、推移を見守る考えを示した。
市環境部によると、仮に受け入れた場合に同工場で焼却できる可燃ごみは年間1万3000dが限界という。工藤市長はがれきを受け入れた場合に焼却灰が地元に残ることに強い懸念を示し、「最終処分場で永久に保管できる構造になっておらず、住宅地にも近いため、(市民に)納得いただくのは難しい」とも述べた。
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