縄文センター、入館3万人突破

update 2012/4/23 10:44


 道内唯一の国宝「中空土偶」などを常設展示する函館市縄文文化交流センター(臼尻町)の入館者数が22日、3万人を突破した。昨年10月のオープンから約半年での達成となった。南茅部地区にある大船遺跡などの世界遺産登録に向けた機運を高める拠点として、本年度も縄文の魅力を伝えていく一方、集客策の工夫も求められる。

 入館者数は昨年、オープンからわずか2週間で1万人を達成。中空土偶をはじめ、南茅部地区91カ所の遺跡群で発掘された約1200点の土器や石器などが話題を呼んだ。

 観光閑散期となる冬期間は、市街地から遠い立地条件などもあり来場者が伸び悩んだが、オープン初年度は目標の2万人を上回る2万8048人を記録。常時開催してきた「土器づくり」や、定期的に行う「縄文の布づくり」などの体験講座も好評だった。

 2015年度の世界遺産登録を目指す「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」の函館の魅力を伝える施設として、同センターへの期待は大きい。同時に中空土偶というブランド以外での集客策も課題の一つ。学び観光推進の核として、修学旅行生らを受け入れる環境整備の必要性も指摘されている。

 阿部千春館長は「中心部から離れていて建物も小さい中、半年での3万人達成は健闘といえる。世界遺産登録に向け、より縄文への関心を高められるよう頑張っていきたい。本年度は4万人以上が目標」と話している。

提供 - 函館新聞社


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