震災の影響ずしり 道南の復興融資719件、84億5100万円
update 2012/4/21 12:37
日本政策金融公庫函館支店は、道南地域の東日本大震災関連の融資実績をまとめた。金利の優遇や限度額の拡充された「復興特別貸付」は3月末までに計719件、84億5100万円に上り、特に風評被害や売り上げ減少で業績が悪化している中小・零細企業が依然として多い実態が浮き彫りになった。
融資実績のうち、事業所が津波に浸水したり、取引先が被災した直接・間接被害によるものが106件、12億7700万円。同支店によると、函館朝市からベイエリアにかけての卸・小売業で店舗や在庫が津波の浸水被害を受けたケースが目立ち、震災直後や資金需要が高まる昨年末に相談が増えた。
一方、風評被害による売り上げ減少も対象とした「震災セーフティネット関連融資」は613件、71億7400万円と、直接・間接被害への融資の約6倍に上った。宿泊客の落ち込みや、建設関連資材の不足など「観光が基盤産業の函館では、道内の他支店よりも件数、額とも多い」(同支店)といい、幅広い業種に影響が広がっている。
この特別貸付制度は融資後3年間、5年もの融資の基準金利より1・4%引き下げとなり、現行の金利では0・75%。限度額も個人事業主など小規模な零細企業向けが6000万円、比較的規模の大きい中小企業向けが3億円と、内容が拡充されている。取扱期間は3月末から来年3月末まで1年延長された。
同支店国民生活事業は「震災の直接被害からはほぼ回復したが、今後はどこまで観光客が戻るかが問題。公共事業は被災地が優先されることへの懸念が強く、管内の建設業者の資金繰りは厳しさが続くのでは」とみている。問い合わせは同支店電話0138・23・8291。
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