民生委員の年齢基準見直しへ 函館市

update 2012/4/18 12:29


 函館市は、地域福祉を担う民生委員の年齢基準を本年度中に見直す。過疎や厚生年金の支給開始年齢引き上げによる60歳以上の就業者の増加などから、担い手不足が深刻となっているため。今後、現委員や町会連合会などと協議を重ね、対象を拡大していく。

 民生委員は担当地域内の住民の生活状態を調査したり、日常生活に関する相談に応じて助言や関係機関を紹介する。3年ごとに改選を行い、函館市の年齢基準は新任が原則68歳未満、再任の場合は75歳未満となっている。

 基準は都道府県単位で決められているが、函館市は中核市に指定されているため、独自に選任要領を設けることができる。見直しは来年12月の改選時を見据えて検討を進め、新任・再任の上限を緩和するか、もしくは新任の要件を撤廃するといった案で協議を進める。

 新任の上限については、道はこれまで65歳未満としていたが、対象を拡大するために現在は新任・再任関わらず75歳未満としている。市では2010年に65歳未満から68歳未満に引き上げたが、撤廃については現委員から異論もあるという。民生委員は経験を重ねることで信頼を得ていくため、若い年齢から始めるべきとの考えからだ。

 市保健福祉部は「西部地区など高齢者の多いところでは70歳以上の人が多いため、担い手不足が慢性的に続いている地域もある。委員の資質とのバランスも考えて慎重に検討したい」とする。

 市によると、委員は現在定数の710人おり、年齢層は60、70代が中心。職業は主婦などの無職が多いが、自営業や会社員など働きながら活動している委員もいるという。

 市民生児童委員連合会は「若い世代は仕事が関係して福祉活動をする余裕がないのが現状だが、民生委員は地域における知識の源であり、お年寄りからも頼りにされている。地域を支える上で人材確保は急務」と話している。

提供 - 函館新聞社


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