在宅高齢者を美容師が訪問

update 2012/4/16 12:29


 函館市社会福祉協議会(市社協、奥野秀雄会長)は本年度から在宅福祉ふれあい事業のサービスとして「訪問美容」を新たに加えた。函館美容業協同組合(永井龍剛理事長)と提携し実施するサービスで、同組合加入の美容師を利用者宅に派遣し施術する。市社協は「新たな利用者の掘り起こしに期待したい」としている。

 これまでは理容師による「訪問理容」があったが、提供サービスは調髪、顔そりに限られていた。美容師派遣の要望も多かったことから、市社協と同組合が協定を結び、訪問美容の導入を決めた。

 訪問美容は、従来の訪問理容に準じて実施。対象は病気や心身の障害で寝たきりとなっている在宅の高齢者が主で、市内各地で組織されている在宅福祉委員会の申請に基づき、市社協が認定をする。

 利用料金は通常3500円だが、年間4回までは市社協が1回あたり1500円分を助成する。サービス内容はカットとブローで、これ以外のサービスを希望する場合は別途料金がかかる。

 同組合は道美容業環境衛生同業組合の訪問美容の資格を取得した約60人の組合員を、委員会の要請に応じて随時派遣する。 函館美容業協同組合は昨年秋ごろから訪問美容師の養成講座を開催しており、市社協の事業以外の訪問美容も今後展開していく考え。組合として訪問美容の教科書を作成中で、6月以降には資格取得者対象の実習を行い一定水準以上の技能習得者を養成していく。

 永井理事長は「年老いても豊かな心でいられるよう、利用者の生活の質(QOL)維持、向上の手助けをしていきたい」と話している。

提供 - 函館新聞社


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