啄木没後100年 思いはせる 市民ら墓参70人 追悼講演会

update 2012/4/14 13:15


 函館ゆかりの歌人、石川啄木(1886〜1912年)の命日に当たる13日、函館啄木会(岡田弘子代表理事)による「啄木忌」が函館市住吉町の東海山地蔵堂(開米隆成住職)で営まれた。関係者や市民ら約70人が参列。没後100年を迎え、大森浜を望む地で安らかに眠る啄木に思いをはせ、静かに手を合わせた。

 啄木は1907(明治40)年5月から5カ月間函館に滞在、弥生尋常小学校で代用教員を、函館日日新聞では記者生活を送っている。同会は、函館在住時の啄木が関わった文芸結社「苜蓿社(ぼくしゅくしゃ)」を母体として発足。法要は101回目を迎えた。

 法要では、しめやかな雰囲気の中、参列者一人一人が焼香。次いで「石川啄木一族の墓」へ移り、花を供えて手を合わせた。その後に行われた追悼講演会では、函館市文学館の前館長、森武さん(63)が「啄木の終焉と妻節子」と題し講演。「女性問題や借金など、啄木には負のイメージがつきまとうが、最晩年の日記や手紙には人間らしい啄木の姿がある」と指摘。「啄木についてはいろんな角度から研究されているが、もっと愛情を持って啄木をみてほしい」と強調した。

 栃木県鹿沼市から来函し、啄木忌に初参加した浜野格さん(59)は「小中学校時代は啄木の作品に感動して何度も読んでいた。15年前に墓参したが、啄木忌に来ることができてうれしい」と感慨深げだった。岡田さんも「例年になく大勢の人たちが来てくれてとてもうれしい」と話していた。

提供 - 函館新聞社


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