中尾さんの歴史本「箱館はじめて物語」点訳化
update 2012/4/8 11:53
函館在往の歴史研究家・中尾仁彦(とよひこ)さん(69)の著書「箱館はじめて物語」(初版)が、函館の点訳奉仕団「きつつき」(松尾悦子代表)会員で、市内在往の後藤千鶴子さん(65)の手で点訳された。NPO法人函館視覚障害者図書館(若松町33、市総合福祉センター内)に収められており、中尾さんは「皆さんの労力に感謝する。ぜひ多くの人に接してもらえれば」と話している。
「箱館はじめて物語」は中尾さんが2010年12月に自費出版。函館の人物や街の歴史について気軽に学べる内容で、約1年で1000部を完売した。きつつきは主婦など26人で構成され、年に1回、点訳養成講座を開くなどの活動をしている。
中尾さんは月1〜2回、歩きながら郷土史を再発見する「箱館歴史散歩の会」を主宰しており、同会に参加している、きつつき元会員の金子由紀子さん(72)が昨年3月、同本の点訳を中尾さんに持ちかけた。中尾さんは「(点訳は)どのような形になるのか想像できなかったがお願いした」と話す。
金子さんから同会を通じ、後藤さんが作業を担当。後藤さんは10年ほど前から点訳に取り組んでおり、今回は88nの本を専用のパソコンソフトを使い1日2〜3時間、約11カ月かけて完成させた。「人物名を思い込みで読んでいたりしたので、パソコンの入力作業の前に史実を確認することが大変だった。でも、函館の歴史を知ることができて良かった」と後藤さん。同会会員が4回にわたる校正を行い、1冊140nで計3冊の本とした。
同図書館のほか、インターネットで点字、音声データを提供する視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」(全国視覚障害者情報提供施設協会運営)でも配信されており、全国の人が本に触れることができる。中尾さんは「私の本を通じ、各地の人が函館に興味を持ってもらえればうれしい。また、ボランティアの活動力が注目されることにもつながると思う」と話している。
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