外部監査報告 函館市の財政状況「危機的」
update 2012/4/3 12:31
函館市の包括外部監査人の鎌田直善公認会計士は、2009年度の決算ベースの財政状況や、市の不動産など資産活用について検証した監査報告書を市に提出した。他都市に比べ高額な生活保護費や人件費で逼迫した財政を「危機的」と指摘し、遊休・低利用の不動産の売却などを求めている。
報告書では、市の歳出、歳入総額を市民1人当たりに換算した場合、それぞれ約46万円と中核市(41市)や人口25〜35万人の類似市(32市)の平均と比べて10万円程度多いことや、扶助費のうち生活保護費が市民1人当たり約7万2000円、市職員の人件費が同約8万1500円の負担と、同規模都市で最も高額であることを指摘した。
一方、歳入の地方税は市民1人当たり約11万5600円で、41中核市のなかで39位、33類似市のなかで31位と全国最低レベル。増大する生活保護費や、市職員の人件費、公債費などの支出を賄うための財源を、国の地方交付税や国庫支出金で補う苦しい状況を浮き彫りにした。
不動産などの有効活用については、時代の変遷とともに中心市街地が北東部へ移動したことで、固定資産の無駄が生じていることを問題視。市内で活用されていない市有地296件を調査対象に抽出し、元町観光駐車場(末広町)では「利用度が低く、民営化が可能」などと指摘した。
市の未利用地約200万平方メートルのうち、東部4地域を除く旧市内では約46万1000平方メートルの土地が未利用で処分可能とし、「仮に1平方メートル当たり2万円で売却できれば92億円の資産をもたらす」と提起する。鎌田氏は「一種の行政の不作為。不動産の転用、売却を市政改革の原資にして地域活性化の一助にしてほしい」としている。
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