知事が太平洋セメントにがれき受け入れ正式要請

update 2012/4/1 12:30


 【北斗】東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、高橋はるみ知事は31日、民間企業として受け入れ先に浮上している太平洋セメント上磯工場(北斗市谷好)を訪れ、同工場に対し受け入れてもらえるよう口頭で正式に要請した。市の同意も必要として高谷寿峰市長とも会談、協力を求めた。知事ががれき処理で直接要請に出向くのは今回が初めて。同工場は国や道の主導で準備が整えば、受け入れに前向きな検討をする意向だ。

 同工場は、従来からセメント製造過程で廃棄物を原材料や燃料として使用していることから技術的には可能として、国や道からの正式要請があれば、前向きに受け入れを検討する意向を示していた。岩手県で発生した災害廃棄物のうち、木くずを受け入れ、焼却灰をセメント生産に利用するとみられる。

 知事は、神長俊樹工場長の案内でセメント工場内の設備や装置などを視察。知事は「工場長に対し、受け入れを前向きに検討してほしいと口頭で要請した。(放射性セシウム濃度など)安全性の確保が何よりも重要であり、地元の理解がないと、この話は前に進まない。道の力添えがほしいという話があった」と述べた。

 また、「(受け入れに対する)地元の理解をいただくためには市長、市役所、議会の協力が必要。住民の理解を得るために道と市が連携してしっかりと進めていきたい」と意欲を示した。

 高谷市長は「市への協力要請は真摯(しんし)に受け止めている。住民に理解をいただかなければならないデリケートな問題で、太平洋セメント、市、道が連携を深め、議会、団体とも相談し慎重に丁寧に検討したい」と述べた。「(処理計画ができて)説明できるようになれば、住民への説明機会もつくっていかなければ」とも話した。

 知事は同工場視察後、JR渡島大野駅も訪れ、建設工事が進む北海道新幹線新函館(仮称)駅について説明を受けた。その後、空路で奥尻町入り、エネルギーの地産地消に向けたモデル事業も視察。1日まで同町に滞在する。

提供 - 函館新聞社


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