奥尻町と桧山振興局「津波語りべ隊」発足へ

update 2012/3/31 13:23


 【奥尻】1993年7月に発生した北海道南西沖地震の被害から復興した奥尻町民が、その体験談で防災意識の向上や災害対策の充実を全国へ訴える「奥尻島津波語りべ隊」が4月1日に発足する。奥尻町と桧山振興局の連携で、関係者は「将来にわたる防災の心構えや住民の安全対策に役立つことができれば」と活動の充実を目指す。

 奥尻町は南西沖地震で198人(当時の人口4500人)が犠牲となり、壊滅的な被害を受けたが、全国からの支援を受け、震災発生から5年で完全復興を宣言。防災の視察や教育旅行を積極的に受け入れ、昨年の東日本大震災発生以降では全国の自治体や大学、研究者ら約1000人の視察があった。

 語りべ隊は、町内の消防署員や役場職員、会社員ら8人で構成。これまで個々に防災教育に携わっていたメンバーが震災を振り返り、奥尻島津波館や防潮堤などの案内のほか、街を歩きながら自然災害の恐ろしさを語り、命を守るための心構えを身につけてもらう。

 活動は随時、申し込みを受け付け、無料で対応する。町内での視察や修学旅行などへの対応のほか、要請があれば島外で防災教育を行う。その際の旅費などは桧山振興局が負担する。

 1日には高橋はるみ知事が同町を訪問する予定で、語りべ隊メンバーで消防署員の三浦浩さんが津波館で活動の意気込みを語る。南西沖地震発生時、高校生だった三浦さんは、祖母から聞かされていた「地震が起きたら津波が来るので、早く高い所へ逃げなさい」の教えを守り、地震発生直後、祖母を背負い逃げた様子などを紹介するという。

 今後はメンバーを増やす考えで、同町商工観光係の満島章係長は「奥尻の復興を支えてくれた全国の皆さんへの感謝を込め、積極的な活動を図りたい」としている。

 問い合わせは同係TEL01397-2-2351。

提供 - 函館新聞社


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